過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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722:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:42:09.08 ID:qh1EHTqN0
765プロも考えたが、あそこは規模も小さいし、おそらく職場の人間同士の距離感も近い。
ウェットな人間関係というだけでも辛いが、何より聞き捨てならないのは、近く所属アイドルを100人単位で増員するとの噂があるのだ。
あの事業規模で、潤沢なプロデューサーの増員がそう出来るとも思えない。
723:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:44:07.90 ID:qh1EHTqN0
親父の後を継ぐつもりは毛頭無いが、少しは自分に馴染みのある土俵で、何かしら資格は取っといた方が良い。
俺は、ようやく手に職を持つ事の重要性を感じた。
今から国試の勉強をして、いつか受かる日が来るのかと聞かれれば、それは分からない。
724:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:49:00.20 ID:qh1EHTqN0
寒さも少しずつ和らいできた3月、正式に俺の事業一課への転属が決まった。
その日は、近しい間柄であるいつもの三課のプロデューサー陣でヒッソリと祝ってもらったが、話題はLiPPSの事ばかりだ。
もう俺が面倒を見る事の無い子達の話など、したってしょうがないのに、殊更に彼らはその話題を変えようとしない。
725:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:54:19.70 ID:qh1EHTqN0
速水さんを担当してた俺の前任の鬱が回復したっていうから、そいつが俺のデスクに戻るんじゃないのか?
で、俺が一課の高垣さんのプロデューサーになって、ヒゲさんが奥多摩に行くという玉突き人事だと解釈していた。
だから、後任は必然的にそいつになると思っていたんだけど、どうやら違うようだ。
726:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 01:59:21.85 ID:qh1EHTqN0
そして、ようやく――。
ようやく? ――そう、ようやくだ。
その日がやってきた。
727:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:00:53.91 ID:qh1EHTqN0
改めて、タバコに火を付け、プカーっと天井に向けて吐いた。
ゼムクリップで留めた一式をパラパラと捲ってみる。
インデックスも付けておくべきだったが――もういい、諦めよう。
728:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:07:14.69 ID:qh1EHTqN0
――やだー! お願いプロデューサーさん、あのコとは一緒に組ませんといて!
――アイドルのフォローをするのがプロデューサー、でしょう?
729:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:08:36.62 ID:qh1EHTqN0
「プロデューサー?」
? ――何だ、速水さん。と、城ヶ崎さんだった。
730:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:11:35.45 ID:qh1EHTqN0
「? ――俺に?」
「他に誰がいるの?」
あんなひどい態度を取った俺に、まさかプレゼントがあるとは思わず、面食らってしまった。
731:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:13:33.87 ID:qh1EHTqN0
「――随分と、私達への評価が高いのね」
先ほどまで微笑を浮かべ続けていた彼女の表情は、それを閉じた時には真顔になっていた。
「俺はそうは思わない」
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