過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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名無しNIPPER
[sage]
2018/08/19(日) 18:20:51.29 ID:06NEsZxh0
数分の間に妙な沈黙が流れたのち、
「ウチが最初にツバサちゃんから聞いたのは、そうやんなぁ……今から4年前かな?」
というと、絢瀬絵里のニートとしての生活が2年目くらいの年か。
「スクールアイドルという存在が芸能界のアイドルの下部組織みたいになっている、
スクールアイドルとして頂点を極めた人間が芸能界にデビューできる……
甲子園で有名になってドラフト指名される高校球児みたいになってるなって、ウチもちょっとだけ思ってん」
希は、ときおり天井を見上げながら言葉を選ぶようにしながら優しい口調で話す。
「十年一昔、ウチらとは時代が違うって言うのは仕方ないにしても……エリちは知ってる?
いま、スクールアイドルってスクールカーストの中で上位に来るんやって」
時々、ラノベか何かで使われる単語だというのは知っているけど、ピンとこなかったので首をかしげた。
「要は人気者だけがスクールアイドルに選ばれるということです。
雪穂はアイドル研究部の部長や副部長をこなしましたが、
そういう意図が嫌でアイドルとして前面に立つのを拒否しました」
「今ではまかり間違っても、ウチみたいな地味な子がスクールアイドルとして踊るなんてないんやろうなあ……」
東條希が地味であるか否かは私が考えるべく問題ではないとして、
今のスクールアイドルに覚えている違和感……は、置いておいて。
私たちが卒業したあとのオトノキのスクールアイドルの事情を亜里沙が教えてくれた。
花陽が部長を務めるアイドル研究部には数多くの生徒が押し寄せた。
二年生だった花陽や凛や真姫は、当初自分たちだけで何とかしようとしたけど
ギブアップして生徒会を頼る。
穂乃果や海未は全員でやれば良いんじゃない? みたいに前向きだったけど、
ヒフミちゃんたちがそれを止めた。
心苦しいけど、部内で一軍二軍ができるようじゃ部活としては不健全だから部に入る人間を選抜しようと。
楽しければいいのにねえ、なんて語る穂乃果は難色を示したけど
ヒフミちゃんたちの意見を踏まえ、海未や真姫といったメンバーが中心になって選抜試験を執り行った。
「私はなんと言いますか、もちろんスクールアイドルもやりたかったんですけど……
μ'sとは違うって思ったんです。有り体に言えば、選抜を勝ち残ったメンバーと一緒に活動はできないって、
だってあの子達、私たちが元μ'sの身内だって知らないくらいだったんですよ?」
苦笑しながら教えてくれる亜里沙。
そういえば雪穂ちゃんに頼まれて、一度オトノキのスクールアイドルの様子を見に行ったことがある。
花陽や凛といったメンバーは練習の様子を見ながら、指導や指示を出し、自分たちは滅多に歌ったり踊ったりしない。
なんで花陽と凛は踊らないの? って雪穂ちゃんに尋ねたら、
苦笑されながら「お二人がなにかするとみんな自信を無くしちゃうので」と言われた件がようやく腑に落ちた。
「だから、原点回帰……μ'sが原点かどうかはわからないけど、
今回のライブでの映像は編集して、希望する高校に渡すんよ」
「え、それって絢瀬絵里の恥が全国に行き渡るってこと?」
「もうすでにニートの絢瀬絵里の情報は全国どころか全世界に知れ渡ってます、諦めてください」
どこ情報よそれーと言って誤魔化そうとしたけど、妹はそんな態度を許してくれなさそうなので肩を落とした。
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