過去ログ - 照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」
1- 20
721: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/10(月) 23:49:44.66 ID:jwkEoY8i0


表情は表も裏も変わらなかった。堪えているようにも見えた。
時が止まっているような、それでいて何時間も経っているような空間に、俺と照さんの二人だけがいる。
デジャヴを感じて、そこでこの場所が初日に照さんと話した廊下であることに気づいた。
以下略



722: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/10(月) 23:51:52.83 ID:jwkEoY8i0


「…私は一瞬、それもいいなと思った。……思ってしまった」

「おかしな話だよね…妹を捨てた私が、妹がいればいいのにって」
以下略



723: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 00:01:37.61 ID:Aaw4sTE60



かつて自分が心から麻雀を楽しんで打っていた頃、私の傍には咲と、咲に連れられてやって来た金髪の男の子がいた。
私はその子の師匠で、その子は私たちと打つ麻雀が大好きで、私もまたそうだった。
以下略



724: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 00:25:38.45 ID:Aaw4sTE60





以下略



725: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 00:35:46.80 ID:Aaw4sTE60



…逃げた後から後悔と罪悪感が追いついてきた。
妹に向けた怒りの感情は、本当は家族内の閉塞感に起因したもので、やり場をなくしたそれは自分自身に向けられるようになった。
以下略



726: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 00:51:11.02 ID:Aaw4sTE60



『笑顔のほうがかわいい』というあの一言は、私の脳裏にこびりついているようだった。
人当たりの良さは私が自然と身につけたスキルのようなもので、完璧な笑顔は保険のようなものだった。
以下略



727: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 00:56:22.65 ID:Aaw4sTE60


自尊心がそんな具合だったから、こんな自分でも役に立つのならそれでいい……結局麻雀に戻って来てしまったのは宿命みたいなもの、いや呪いというべきかもしれない。
私は好きでもないその競技が得意らしかった。気持ちが空回りするでもなく麻雀部は華麗に勝ち進んで、あれよあれよと全国を獲ってしまった。

以下略



728: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 01:11:25.65 ID:Aaw4sTE60

自分は到底許されない、許されるべきではないと感じていて、それを理由に自分から動くことなく逃げ続けていた。
それなのに、夢の中のあの景色をどこかに探している自分がいた。
絶対にないけど、ないけど万が一、万が一咲が白糸台に来たら……私は情けなさに自嘲することしかできない。自嘲しながら眼は懸命に名簿をずっと辿っていて、私は心の底から自分を軽蔑した。

以下略



729: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 01:21:51.54 ID:Aaw4sTE60


懐かしさや嬉しさより先に、「どうして?」という問いが頭の中を巡り巡っていた。
私がかつて一瞥もせずに切り捨てて、本当は今すぐにでも手に入れたかったその景色ーー目の前に浮かんですぐに掻き消える。

以下略



730: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 01:37:37.85 ID:Aaw4sTE60



慌てて移動を開始、彼は幸い追いかけてくる。ここまで予定通り。
彼が何かしら質問してきたのでそれなりに答えながら歩みを進める。先輩として無視するわけにはいかない。
以下略



1002Res/411.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice