過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ!
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47:名無しNIPPER[saga]
2018/11/25(日) 15:47:08.81 ID:j5Kms53n0
「絵里先輩」

 にこやかに私に呼びかけて来て、明らかに相手は自分のことを知っていると理解した。
 写真やまた聞きとかで、私をμ'sの絢瀬絵里と知っている人間はいたとしても、
 外に出れば悲しいほどにスルーされてしまうので最近は自己主張をすることもやめたけれど。
 キョトンとして顔をしげしげと覗き込んでしまったことに気がついて、
 咳払いを一つしながら記憶にない人だと素直に認めて謝罪しようとすると。

「――ああ、こうすれば分かります?」

 目の前の女性は頭の左右に髪の毛でふたつくくりを作り出し、
 世の中に対して敵意満載の飢えた狼みたいな釣り上がった目をして見せて、
 ようやくそこで、彼女が鹿角理亞さんであると気がついた。
 つい先日まで顔を合わせていた彼女とは髪質も、目つきも、
 背筋を伸ばして凛としているせいか身長さえも変化したように見える。
 何か悪いものにでも憑かれてしまったか、新作のエロゲーに魅力的なヒロインでもいたのか、
 別人だと呼称しても良いほどに変化してしまった。
 外見をちょっと取り繕って見せたとか、今まで見ていた彼女が実は双子の妹であったとか、
 奇想天外な結論をしなければいけないほどに――

 喫茶店クローシェに赴いた私たちは、
 お互いに正対するようにソファーに座ってメニューを注文した。
 陽射しが眩しいとポツリと呟き、寝不足だからいけないと結論づけた理亞さんMk-IIは
 紅茶とスイーツのセットという女子力の高そうなメニューを頼み、
 予想外の注文に慌てた私は同じものでいいです、と怪訝そうな表情をする店員さんの視線をスルーし、
 私は最初からこれを食べたかったんですが何か? と表情を作ってみせた。
 今まで真姫に指導されたくらいしか演技の経験がなかった自分が、
 しっくりと来るほどに表情を作れたので首を傾げながら、
 困ったように視線を這わせる理亞さんと顔を突き合わせた。

「そうですね……困りました。確かに、先日までの鹿角理亞とは
 別人だと判断されても仕方がないとは思います」


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