990:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/30(水) 19:58:48.20 ID:Bo1GBMA1o
・ ・ ・
「……」
授業が終わり、携帯を起動して何か無いか確認する。
いつもだったら、この時間はあまりLINEは来ない。
私達はアイドルだけど、学生でもあるからね。
仕事もあるし、授業中遊んでばかりもいられないって事。
「ん」
でも、今日はLINEに一件のメッセージが来ていた。
グループにじゃなく、私に、直接。
何? 何か、問題でも起こった?
私に直接って事は、クローネにも関わってくる事?
「……」
ほんの少しだけ緊張しながら見た画面には、
『授業中、申し訳ありません』
なんて、謝罪の言葉から始まるメッセージ。
「……」
LINEでも、ですますの丁寧な口調は崩れない。
何度か改行されたメッセージをしっかりと確認する。
その内容は、思っていたようなものじゃなく、
むしろ、私としては手間が省ける嬉しいものだった。
「……」
どう返そうかと考えて、
『わかった』
という、シンプルな言葉だけを打ち込んだ。
あんまり長くしてもあれだし、次の授業の準備もある。
既読がついたのを確認して、ほんのちょっとだけ待つ。
『勉強、頑張ってください』
なんて、
「余計なお世話」
誰にも聞こえない小さな声で、言う。
返事はせずに、携帯の電源を切り、また鞄へ。
「何?」
顔を上げると、隣の席から不思議そうな目が向けられていた。
それだけじゃなく、私の鞄を指さしながら、首を傾げている。
その、無言の問いかけに対し、
「別に、何でもない」
とだけ返したのは、素っ気なさ過ぎたかと少し思う。
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