991:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/30(水) 20:39:19.87 ID:Bo1GBMA1o
・ ・ ・
「……」
『もうすぐ』
と、LINEを送る。
帰りのショートホームルームが終われば、下校の時間。
私のクラスの先生は、朝も帰りも手短に済ませる。
だから、授業が終わったらすぐにこう送っても大丈夫。
「ん」
すぐに携帯が音を鳴らし、メッセージが届いた事を告げる。
フリックすると、
『今日は有給を申請しま〜す』
なんて、気の抜けるようなメッセージが。
それをきっかけに、グループLINEが徐々に盛り上がっていく。
「はぁ……」
思わず出たため息は、窓の外から吹く風にかき消される事なく、
クラスメイトの耳へと届けられてしまった。
どうしたの、と聞かれたから、正直に答える。
プロジェクトメンバーの、こういう些細なやり取りは、
別に隠すような事じゃないしね。
「ん」
グループトークから画面を切り替えると、別のトークに赤いマークが。
開く。
『はい、お待ちしています』
「……」
プロデューサーが、私に送ってきたメッセージの内容。
それは、プロデューサーが私の学校に近くに外出して戻る時間と、
私の下校時刻が近いので、事務所まで車で拾っていってくれる、というものだった。
私だけズルいと言われるのも何なので、皆には内緒。
「……?」
ふと気付くと、また、さっき向けられた不思議そうな目が。
「何?」
聞いても、返事は来ない。
私を置いて、顔を見合わせて。
何とも言えない、むず痒い居心地の悪さを感じる。
……この状況は、何?
「何なの?」
私の追求は、教室のドアが開いた音に止められた。
帰りのショートが終わってからとも思ったけど、あまり待たせるのも悪い。
待ってる間に、警官の人に捕まらないとも限らないし。
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