169:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/11(月) 23:08:00.16 ID:u2YgayRoo
「えっ、と……スキンケア、大事なんですよねっ!」
目を開けて、プロデューサーさんを真っ直ぐみつめる。
普段は鋭い目つきが、今は妙に頼りなさげに揺れている。
だから、私は思っていることをそのまま言うことにした。
それが、この人には一番通じると思ったから。
「だから、今の肌の状態を知るって、重要な事だと思うんご!」
私は、やるなら1番になりたい。
その意志は、プロデューサーさんには伝えてあった。
目立つのは得意じゃないし、自分がアイドルでよかったのかと思う時もある。
「でも、自分じゃよくわかないから……」
苦手な事もあるし、変に浮かれちゃう時もある。
りんごを推していく、っていう方向性も迷いながら。
……そんな私でも、確かなものがある。
「プロデューサーさん、お助けを〜!」
私のプロデューサーさんは、この人なんだ、って!
「……!」
また、目をつぶって、待つ。
今のでほっぺが赤くなった気がするけど、気にしない。
だって、私はアイドルだから。
そのためだったら、出来る限りの事はがんばるんご!
「で、では……すみません、失礼します……」
私の熱意が伝わったのか、そんな言葉が返ってきた。
んー? 私が頼んだのに、どうして謝ったんだろ?
あっ、都会ではそういう感じでやり取りするんですか!?
よーし、早速!
「すみません、お世話になります!」
あはっ♪ 今ので合ってますよね?
父ちゃん、お母ちゃん……あかり、都会の女に一歩近づいたよ!
でも、山形の事は忘れないから、安心してね!
……山形弁は、可愛くないから使わないけど。
「ん」
プロデューサーさんの指先が、ほっぺに触れた。
自分の手とは違う、男の人の手の感触。
その違いに、かなりビックリ!
……って、
「それでわかります? もっと、りんごを掴むように!」
遠慮なんてしないでください、プロデューサーさんっ!
「えっ!?」
……今、驚く所ありました?
あ、今の例え駄目でした?
愛ですよ! りんごを慈しむ、愛の心で触ってくださいなっ!
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