過去ログ - 武内P「理由あって、飲み会」
1- 20
539:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/27(水) 23:20:18.21 ID:jhyS+5wYo

「……」


 笑いをこらえながら、目だけで彼を見てみる。


「……!」


 右手を首筋にやって、必死で何を言おうか考えてる。
 けれど、あんまりからかっちゃかわいそうよね。
 それに、そろそろ限界。


「……っふふっ!」


 ええ、私が。
 左手の指を口元に添えて、大笑いをしないようにする。
 そうでもしないと、ね?
 今向けられてる彼の視線に、更に笑わされそうだもの。


「はぁ……それじゃあ、ここで……うふふっ!」


 こらえたつもりが、失敗しちゃった。


「……はい、ここで」


 いつもより低い声。
 でも、重苦しくは、無い。
 言葉とため息の中間のような、挨拶と笑い声を合わせたような。
 そんな、優しい声。


「……」


 少しだけ、雛飾りに目を向けて。
 私達は、歩き出した。



「「んっ」」



 同じ、方向へ。
 いつもだったらここで別れるんだけれど、
今日は、たまたま二人共二階に用があるみたい。
 二人して、玄関ホール正面の階段に、一歩、二歩、


「――うふふっ!」


 三歩目で、また、こらえきれなくなった。
 ……ああ、おかしい!
 貴方も、そう思いませんか?


「……!」


 彼は、右手を首筋――じゃなく、口元に当てていた。
 ほっぺたが少し上がって、耐えるためか、眉間に皺が寄っている。
 なんて不器用な大笑い。


「ふふっ! 階段で用があるのは、何階だん? うふふっ!」


 彼は、ゴホンと咳払いをし、いつもの調子を取り戻したみたい。
 もうっ、あとちょっとで見たことの無い表情が見られるかと思ったのに。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/489.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice