過去ログ - 武内P「理由あって、飲み会」
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884:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/11(月) 21:36:12.48 ID:vwvkyAJfo

「はぁ……」


 長い廊下を歩きながら、ため息を吐く。
 いつもの戯れだとはわかっていても、私にも感情はある。
 だが、お嬢さまの命に背く事は有り得ない。
 例えそれが、指定された場所へ行く、というだけのものであっても。


「……」


 指定されていたのは、この部屋……会議室だろう。
 中に誰が居るのかはわからないし、関係の無い事だ。
 何故なら、考える必要が無いから。
 コンコン、とノックをし、反応を待つ。



「――どうぞ」



 どうやら、誰も居ない部屋からの返事を待つ羽目にはならなかったらしい。
 その可能性が、全く無いとは言い切れなかったからだ。
 お嬢さまは、気まぐれに私に対して無茶振りをする事がある。
 さて、今回はどういったものなのやら……。


「失礼します」


 ドアを開け、室内に。
 果たしてそこは会議室であったようで、奥には会議机が置かれていた。
 その会議机から品定めされるようにして、椅子が五脚並んでいる。
 これは、何か意図がある配置なのだろうか。



「――何か?」



 私が無言で居続けたからか、問いかけられた。
 しかし、問われた所で、返す答えを私は持たない。


「はぁ……聞きたいのは、私の方なのですが」


 また、ため息が出てしまった――


 ――次の瞬間、



「君は、何だ?」



 空気が、重くなった。


「っ……!」


 思い当たる理由は、一つしかない。
 会議室に居た、



「もう一度聞く。君は、何だ?」



 灰色のスーツに身を包み、長い黒髪を後ろで束ねた長身の女。
 その女の放つ眼光が、真っ直ぐに私を射抜いているからだった。


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