886:名無しNIPPER[sage saga]
2019/03/11(月) 22:42:00.83 ID:vwvkyAJfo
「私が此処に居てはならない理由を説明して貰いたい」
この状況も、お嬢さまの戯れの一つなのだろうか。
だとしたら、帰り次第申し上げなければ。
今回の様な戯れは、今後はご遠慮願いたい、と。
何度も不愉快な思いをさせられるのは、私とて御免ですから。
「何故だ?」
女が、眉をしかめた。
「私が、そうする理由がどこにある?」
不機嫌そうに首を傾けた拍子に、エメラルドのイヤリングが揺れた。
私が何か答えを返すか、それとも、大人しく退室するか。
どちらかをしない限り、女の機嫌が直る事は無いだろう。
ならば、私の取るべき選択肢は一つだけ。
「私が、何を求められているかを知る必要があるからです」
本心を言えば、今すぐにでも帰りたくはある。
だが、お嬢さまはそうする事を望まないだろう。
「それは、君が『お嬢さま』に命じられているからか?」
そうだ。
「……ふん、程度が知れるな」
……何?
「おい、お前……」
今の、「程度が知れる」という言葉。
その言葉は、お嬢さまに対する侮辱だな?
お前如きが、何を理解している。
お嬢様は――
「礼儀も知らない子供に、その躾も満足に出来ない主、か」
――……っ!?
「この城には、相応しくない。それが理由だ」
女は、もう顔を上げる気は無いだろう。
「出て行きなさい。私は、あまり気が長い方ではない」
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