過去ログ - 千歌「ポケットモンスターAqours!」
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◆tdNJrUZxQg
[saga]
2019/05/10(金) 15:30:50.92 ID:Q+x1d3Jo0
「──ランクル」
ランクルスが、文字通り眼前に迫っていた。
善子「ひ!?」
大きな腕が伸びてきて、
私の胸部辺りを鷲掴みにして持ち上げる。
「ランクル……!!!」
善子「ぐ……!!」
ランクルスが腕に力を込めると、胸部が圧迫される。
善子「は、はなし……なさい……!!」
「ランクル……!!!!」
徐々に徐々に強くなる、握力。
善子「ぐ……ぅ……!!」
このままじゃ、握りつぶされる。
……いや。
善子「あんた……っ……!! 握りつぶす気……ない、でしょ……!!」
「ランクル……ッ」
考えてみれば、当たり前だ。
命を奪うことが目的ではない。
これは試しなのだ。
私たちに勝利条件が提示されてるのと同様に、彼にも希さんから予め指示されているであろう勝利条件がある。
それは、恐らく。
善子「私に……『参った』って、言わせる、ことでしょ……!」
「ランクル」
相手の戦意を喪失させ、今後の戦いに参加する資格がないことを自覚させることだ。
つまり──
善子「ま……ヨハネは、絶対降参なんて、しない……けどね……!!」
「ランクル!!!!」
私の言葉を聞いて、ランクルスの握力が更に込められる。
善子「が、ぁぁ!!?!?」
ミシミシと、肋骨が軋む。
痛みで降参を促している。
一瞬ふっと力が緩み、
「ランクル……」
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