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65:まな板の上の恋 1/3[saga]
2014/10/04(土) 04:23:38.23 ID:wR8mwDBXO
まな板の上の恋という物が実在するとしたら、それはまさしく今の私の心情に他ならないと思った。

「……どういうつもりなの」

賑やかな夏の海岸。その端にポツンとそびえた岩影で、私はひとりの少女に強い口調で詰問されていた。

「なによ、その格好。男を誘ってやろうってわけ?」

暑い日射しが照り付ける夏休みの砂浜。到着してから未だ数分と経過していない。

この時期、この場所、このシチュエーションにおいて水着を着用していることを責められるとは思っていなかった。

確かに、今回選んだ水着は柄にもなくシャープな布面積の……つまり露出が多めなビキニの水着だったけれど。

しかし、そもそもビキニを選択したのは決意表明というか、私なりに覚悟を決めた証というか。

まどろっこしい言い方をせず率直に述べるなら、目の前の猪突猛進な彼女に愛を告白する勇気を得る為の強化アイテム。所謂、勝負服のつもりだった。

けれどそれがまさか、火種となって彼女に燃え移ろうとは思いもせず、私は焦りのあまり言葉を失う。


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