66:まな板の上の恋 2/3[saga]
2014/10/04(土) 04:24:24.26 ID:wR8mwDBXO
「黙ってないで何とか言いなさいよ!」
私の両肩を彼女が手のひらで掴む。岩場に押し付けられた私と彼女の距離は更に縮まって。
(顔が、近いよ……)
身長差があるせいで、彼女の唇にばかり目がいく。
柔らかそうな唇が歪み、形を変え。そして私に対する非難の言葉を紡いでいく。
動けない。金縛りにあったように、体は小刻みに震えるだけ。
嫌われたくない。早く誤解を解かなくちゃ。けれど、言葉が出てこない。
怖い。好きだから、尚更に。
「見損なったんだから!」
身動きの取れない私の心を解体しようと、彼女は刃に手をかける。
ああ、思考の海の中でなら、こんなに自由に泳ぎ回れるのに。
どうして彼女の前でだけ、こんなにも不自由で思い通りにならないの。
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