67:まな板の上の恋 3/3[saga]
2014/10/04(土) 04:26:08.51 ID:wR8mwDBXO
伝えたい想いはたくさん在るはずなのに、けれどそれは言葉にならず消えゆく泡沫のように。
「あんたなんか──」
(あれ?でも、魚って……)
魚の間には言語によるコミュニケーション手段は無い。彼らは意中の相手に好意を示す際、言葉でなく体を用いて想いの丈を訴える。
(そっか、簡単なことだったんだ)
きっと、まな板の上の鯉であろうと、それは同じで。
愛する人が、目の前に居るなら。
(伝えきれない言葉は後回しで良い。今はただ、伝えられる分だけ)
それはもう、必死になって跳ねるのだろう。
……………………
───ちゅ、と響いた愛らしい音色。
まな板の上から背伸びして跳び立った恋の行方は、きっと確認するまでもない。
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