8: ◆CaWSl75vrE[saga]
2015/06/28(日) 03:28:48.59 ID:823VgtnL0
「お隣、失礼します」
適当な距離を保ち、遠慮がちだがすとんと腰を下ろす。
普段提督の私室を照らす電灯はすでに消され、ベッドの傍のモダンなデザインのサイドテーブルと、そこに置かれたクラゲを模した形の可愛らしいスタンドライト。その中枢部から漏れる淡く青い光が、二人を照らし出していた。
「……………」
ふと違和感に気付き、提督をじっと見つめる。疑問の色が浮かぶ表情には、いつも提督がしている何かが足りない。
そう、その違和感の正体は眼鏡だった。自身のトレードマークである眼鏡を外し、傍らには漆塗りの櫛が置かれているところを見ると、もう間もなく眠りに就く準備を進めていたことが推測される。
安眠の邪魔をしてしまったと心痛の念に駆られ、みるみるうちに表情が曇る秋月。
それを見た提督は、何も言わずにそっと秋月の頬に手を添えた。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ、私は秋月の事を嫌だなんてこれっぽっちも思っていないから」
「っ……!!」
不意打ちのようなアプローチに、思わず胸が高鳴ってしまう。優しい言葉に流され、そのまま添えられた手を取り、両手で包むようにきゅっと弱々しく握り締める。
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