【R-18】由比ヶ浜結衣はレベルが上がりやすい
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81:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]
2015/09/05(土) 01:38:29.60 ID:wXxBmjsv0
去年のホワイトデーに、それまで伸ばしに伸ばされ、一度は彼女の方から違う形で消化されかかったデートの約束、それを俺達は果たした。そこでお互い幼稚で無様な感情をぶつけ合って、その奥にあった想いを伝え合って、俺達は恋人になった。
でも恋人になってから勉強ばかり言い訳に使って、二人ともおめかしして揃って出かけたのはクリスマスの一回。それも夕食の前には解散してしまうような儚く短いデート。プレゼントの交換とその際のキスを除けば、風に吹かれて飛んでいってしまいそうな淡いお出かけ。
「……もういいじゃん、受験終わったよ? あたし、ちゃんと出来たよ? だから……あたし、欲しいよ」
彼女の瞳が再び潤み始める。
その色は赤や桃じゃない、青みがかった悲嘆の色。
ぞぶり、心臓に刺さる棘が増えて、鼓動の度に伝わる痛みはその量を増した。
「こんなこと言うのズルいって、あたしも分かってるけど……もっとヒッキーと近づきたいし、恋人らしいことしたい……一年我慢したんだもん、もっともっとヒッキーに、愛して欲しいよ……」
彼女の悲しみと渇望は目尻に溜まって、臨界を越えては頬を伝って流れ落ちていった。
ああ、違うんだ。違うんだよ由比ヶ浜。
ズルいのは俺だ、悪いのは俺だけなんだよ。
何時までもお前と向き合いきれず、自分の感情すら心の何処かで疑って、それでもお前を突き放せない俺だけが罪人なんだ。
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