176:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]
2015/12/23(水) 21:08:34.55 ID:xNvvfe/hO
くち、くち、くち。
にちゅにちゅ……
剣士「っ、あ、あ……」
少女「なあ、こんな時で悪いけどさ、聞いてくれないか。」
剣士「っ……?」
少女「アタシは、本気で敵わない奴なんて今までいなかったし、生きるためには優しい奴にも酷い事しなくちゃいけなかったし」
少女「嫌われるような事して、嫌われて生きてた」
少女「気に入った奴も、利用しなくちゃいけない。アタシから離れて行っちまう……だから、悲しい事なんか覚えてられないように、深く入れ込まないようにしてた」
少女「……だってさ、ガキだし! そんな上手く生きてけねえもん!」
少女「でもさ?」
少女「アタシをマジで打ち負かして、アタシの事を認めてくれて、それでただ許してくれた、お人好しな奴がいたんだよ」
少女「アタシはな。お前のことは忘れられそうにない。」
剣士「……!」
少女「お前もいつか行っちゃうだろうけどさ。アタシのこと、忘れないでくれ」
くちくちくちくち!
剣士「う、あ……!」
祈るような手が、俺が逃げてしまわないように優しく包む。
拙く悲しい生の紡ぐ、戯れじゃない手練手管。
俺がいってしまう前の、ただこの短い時のために。
そんな、ものを受けたら、俺は、俺は……!
少女「……おっけー、部屋汚すなよ。んちゅっ」
剣士「!? うっ、あ、あ……!!」
どくん!
あの口に吸い込まれると思った時、気持ちの良いものが弾けた。
今は、どこへもいかない。
そんな気持ちが愛おしそうに俺を吸う、少女の頭に手を添えていた。
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