奴隷「ご主人、様」
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104: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/06/07(火) 22:37:03.87 ID:5iaVKsYY0
「思ったよりもうまかったな」

娘がコクリと頷く。それはそれで珍しいことになるが、それを指摘することはしなかった。そう言ったところから、娘は自分の感情を蓋するようにしてしまう。それはつまらない。

空にある太陽が沈み、あたりをオレンジと黒だけの世界に移り変わらせていく。間もなく夜だ、家に戻らなければいけない。治安が良いところとはいえ、何も起きない訳ではない。一人ならいいが、今日は娘もいる。残念ながら、今の俺が守れるのは自分ぐらいのものだ。

そう思って、言いようのない微量の不安が混ざる。

「さ、早く戻ろう」

手を差し出して、娘はそれをおずおず見つめる。手を握るのも命令だと、言うと時間を置いてからゆっくりと俺の手を握った。

手を握っただけで守れるわけではない。だが、側にいなければ守りようがない。戦場で、嫌というほど思い知らされた感情も、ないまぜになった帰路だった。


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