222: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/07/03(月) 01:52:39.47 ID:gqVYmctE0
手から伝わる体温が、娘への愛おしさを助長してくる。まったく、篭絡したところで何の実入りもない主人だろうにと、心の中でこぼす。
「その、何か粗相をいたしましたでしょうか?」
まだやや無表情だが、怯えにも取れる様子。確かにこれでは、理由もわからないまま、ただいきなり手を掴まれた状態だ。そういったものの方が、当たり前だろう。
しかし、俺が見たいのはそれではない。娘の赤面する愛らしいその顔。
すっと相手を背中に回して、娘を近くまで抱き寄せる。互いの吐息がかかるぐらいの近さで、俺は娘の顔が赤く染まるのを眺めながら、声ではなく、呟きでもない愛らしい音を聞く。
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