258: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/16(金) 16:52:08.87 ID:UulW8uKt0
「…話を聞いてなかったのか? 俺は、無駄に命を奪ったんだ」
「それでも、今なおお苦しみになられているのは、主人がお優しいからです」
顔をそらされる。触れられたくはない、それこそ治りはしない切り傷にゆるゆると触られるのを想像するようなものなのかもしれない。
けれど、その癒えない傷を背負う主人の負担が軽くのであれば、私は、それを一緒に背負わせていただきたい。
「私は、政治事は疎く、何もわかりません。けれど、戦争で起きたことは、主人だけが悪い事ではないのです」
「…違う」
「違いません」
主人は勢いよく立たれ、手が離れる。
「お前に、何がわかる!」
「…何もわからないかもしれません。けれど、主人がお優しいことは誰よりも存じています」
それだけは、間違えようのない事だった。
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