275: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/03/26(月) 02:14:07.37 ID:vejXgvSB0
「お前のすべてを奪う」
――、それは突然だった。気付けば頭と腰の後ろに回された手に抱き寄せられ、口内を主人が蹂躙してくる。言葉通りだった、奪って頂けるのだ。
胸がときめき、喰われるようなその衝動に幸福感が広がり、顔がとろけていくのがわかる。あぁ、理解されなくてもいい。私の思いなど、砂漠に紛れる砂粒のようなもの。
浸っていると、吸い込まれた舌が主人の口内に入り込む。あぁ、だんだんと主人に包まれていくかのよう。なんて、幸せだろう。
主人にもみくちゃにされるよう、舌を味わって頂けたあと、口が離れ、唾液が糸状になってきれ、甘く感じられる吐息が鼻を満たす。
「もう、逃げたいと言っても、手放す気はない」
「私は、死んでも、側にお仕え致します。どうぞ、私をお食べください」
言われなくてもという言葉の後、その口は私を食べる為に、私の口をまた奪った。
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