奴隷「ご主人、様」
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298: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/08/23(木) 00:54:53.88 ID:BdlXyN5c0
心地よい温もりと、どこか蒸されるような湿度。ゆっくりと目を開ける。

「主人…」

愛おしさに負け、失礼を承知で主人の頬に触れる。呼吸に合わせ、肩が上下するのを見て、穏やかに眠られていることに胸をなで下ろす。

手から伝わる主人の暖かさが、自分の心を溶かしていくのがわかる。

全てを失っていた自分は、失うことをどうしても想像してしまう。この暖かさが消えてしまうとしたら、自分は狂う。それは冗談ではなく。

けれど、それがいいのかもとも思う。私のすべては主人の為にある。本当は想像さえしたくないが、主人がいなくなったなら、私はいる意味はない。

正常であり続けても、死を選ぶことに躊躇はない。つまるところ、正常で死ぬか。異常で生き続けるかだけ。


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