お嬢様「貴女たちは私の大切な――――」
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103: ◆TEm9zd/GaE[sage saga]
2017/03/30(木) 17:54:08.90 ID:8WFdquEE0
不意に、

ご令嬢「ぁ……ずるいですよ、女奴隷ちゃん」

メイド「まったくね。……お嬢様、おはようのキス、私たちにもしてください!」


いつの間にか目を覚ましていた二人は、抱き合っているお嬢様と女奴隷を挟むように左右に寝転ぶと、それぞれ唇をお嬢様へとつきだした。


お嬢様「甘えんぼさんね……」

呆れたように肩をすくめて見せても、嬉しいのだろうということが伝わってくる。
お嬢様は請われた通りに交互に軽いキスをした。


言いようのない充足感。
みんな穏やかな表情を浮かべている。


女奴隷「ねえ、お嬢様――」

お嬢様「なにかしら?」



女奴隷「お嬢様にとって私たちってどんな存在?」

問われ――

お嬢様「……」

お嬢様は思わず黙り混む。
彼女のなかで答えは決まっている。
だけど、一度否定してしまった手前、臆面もなく口に出していいことなのか憚られ戸惑いを浮かべた。

そんなお嬢様を見てメイドとご令嬢――二人は彼女の気持ちを察したのか、お嬢様を安心させるため女奴隷ごと彼女をぎゅううっと抱きしめた。


メイド「私たちは気にしていませんから」

ご令嬢「むしろ、どう思ってるのか、ちゃんと言ってくれないと許さないですよ……ふふっ」

お嬢様「――――。」


二人の言葉を聞き、意を決して言葉を紡ぐ。

お嬢様「貴女達は私の大切な――――」

――それは……その言葉は、今までしてきた酷い仕打ちへの償い。そして、これまで見放さないで慕い続けてくれた彼女達への――。

お嬢様「愛しい人よ」

そう告白した。


それを聞いた三人は嬉しさを一杯にして、


ご令嬢「はい! ボクもお嬢様のことが大好きです!」

メイド「嬉しい! 嬉しいわ――お嬢様! 大好き! 愛してる!」


賑やかで、そして幸福に溢れた声を聞き、女奴隷は目を閉じるとお嬢様の手をしっかりと握った。

女奴隷「……大好き。本当の意味で……やっと、言えた……」


女奴隷は静かな笑みをそっと湛えて――。



四人は裸のまま抱き合う。

混ざりあった熱のなかに、繋がりは確かにあって――


彼女達は抱きあったまま、眠りについた。



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