70: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/06/03(金) 11:04:45.27 ID:hYHb1m9lO
大声で彼女は叫ぶ。だいたいが、私たちへの不平不満だった。
周りにいた子連れの客が何事かと足を止めていたので、私は彼女を引っ張って人気の少ない所に移動した。
癇癪を起し泣き始めていた。手で目元をこすって、嗚咽をもらす。
ど、ど、どうしたら。
泣いてる子どもの扱い方が分からない。
「ど、どうどう」
馬じゃないし。
ハンカチを取り出して、彼女に手渡す。
それを受け取ってはくれたけど、握りしめたままだ。
「上林さん……」
私は恐る恐る背中に手伸ばしてさすってやった。
ぎこちないことこの上ない。
上林さんは今度は逃げなかった。
何度もさすって、しっかりとさすって、頭ごと引き寄せて、
「よしよし」
と、頭をぽんぽん撫でた。
日差しがきつかったので、彼女の頭も温かかった。
小さな頭が、幼さを強調する。
彼女は、ようやくハンカチで目元を拭いて、ご丁寧に鼻まで噛んだ。
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