96: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/06/05(日) 20:34:01.35 ID:pCqT42gVO
そんなことするわけないのに。
やり直したかったことはそんなことじゃない。
やりたかったこと、できなかったこと。
そう、まずは――しなければいけなかったこと。
私自身がいつまでも過去にとらわれていた。
子どもの時から培ってきた自尊心が邪魔をする。
怒った。自分の甘ちょろさに怒った。
目の前のことにぶつからない自分に。
分かろうとしていなかった自分に腹が立った。
ももちゃんが欲しかった言葉を一番最初に言わなかった自分に反吐が出た。
話は、まず、そこからだったんだ。
私は、ベッドの端に座る彼女の目の前で膝をついて正座した。
「はい?」
彼女の声が頭上から降ってくる。
私は手と頭を床に着けて、深々と土下座した。
「ごめん、ももちゃん」
沈黙。
ベッドが鳴った。
上を向いてももちゃんの表情を見てみたかった。
が、その前に何を謝っているのか言わないと。
私は下を向いたまま、
「みやちゃんのいじめ見て見ぬふりしてごめん。止めなくてごめん。助けようとしなくてごめん。復讐は終わったのかもしれないけど、でも、許さなくていいから。私も忘れないから。私がやったこと忘れないから。ももちゃんを傷つけたこと、覚えてる。ずっと」
言った。
とめどなく何かが心にどっと生み出された。あの時、言えなかったことを言いたくて、でも、やっと言えた。
あの頃の感情が一緒に溢れて来て、友達が怖くて、自分のしていることが辛くて、何もできなくて、ももちゃんの何の力にもなれなくて悔しくて。
そうだ。自分のしたいことばかり目を向けてしまっていたんだ。
目元が熱くなって、自分が泣いているのが分かった。
「そ、そういうことはちゃんと目を見ていいなさいよ」
「そうだね……」
顔を上げて、ももちゃんはさらにぎょっとしていた。
「なんで、今さらそんな顔するのよ……」
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