げんきいっぱい5年3組 大人編 (オリジナル百合)
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◆/BueNLs5lw
[saga]
2016/06/11(土) 21:57:20.90 ID:9xgtdKunO
幽霊でも見たように、口を戦慄かせた。
「か、上林さん」
酔いも一気に醒めたのか、滑舌の良くなった彼女は、後ろに後ずさった。
「バイク、タイヤダメになったのかしら」
彼女は小さくそしてぎこちなく頷いた。
彼女の背後にあるバイクを覗く。
確かにタイヤがペチャンコになっていて、使い物にならない。
近所のバイク屋は、もう閉まっている時間だ。
「家、遠いの?」
私は聞いた。
彼女の家なんて、ついぞ知ることも聞くこともなかったけれど。
「ええ……」
聞かれるがままに返答していた彼女は、はっとして私の腕を振り払った。
「ひ、久しぶりね……上林さん」
「そうね」
あの頃、私の背はとても小さかった。
いつも、誰かを見上げていた。
いつの間にか背は伸びて、今、漸くそれを実感したような気がする。
同じ高さにあるこの女の目線のおかげで。
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