59: ◆uda3OPHnPE[saga]
2016/07/06(水) 23:54:41.16 ID:3KJ0hw6NO
キアロ「……!」
――何かを感じとり、上半身を後ろに反らす。
防御はそのまま、身体だけ反らしたキアロ。彼女の不可解な行動に疑問を抱く人物は少なからずいたが、次の瞬間その行動は正しかったのだと分かった。
完璧に防御できる位置にあった短剣。それをまるでなかったかのように、ロズは剣を振りきったのだ。
ロズ「……よく避けたね」
戦いがはじまってから初めて口を開いたロズは、感心した様子で言う。
武器をすり抜ける攻撃。最初からかわそうと思えば回避することもできるだろう。が、防御しようと思ってしまえば間違いなく攻撃が決まる。
キアロはその最悪な選択肢をとったはずだった。
キアロ「お前の目が嫌な感じがしたからな」
ロズ「直感、か」
目の前にいるのは野性的な人物。あり得なくはなく、むしろ納得することができた。言ったら怒られるだろううが。
ロズ「なら、何も感じる暇もなく」
キアロ「上等――!」
ふらっと前に出るロズ。彼女を迎い打つべくキアロもまた前へ。二人が武器を振りかぶり、そして交差。すれ違い様に攻撃を交わす。
まるで演劇のような戦いに観戦者らは唾をのんだ。
……が、決着はあっさりしたもので。
戦いの決着を待つ皆の前。くるっと気軽く背後を振り向いたロズは、涼しい顔をして手を振った。
ロズ「……よっこいしょ」
キアロ「ぐっ!?」
剣とは呼べない、最早ハンマーのような形をした黒い塊でキアロの頭の横っ面を殴打する。ごすっ、と鈍い音とともにキアロはうつ伏せに倒れた。
ロズ「……よし、勝利」
剣を消し、手叩いて汚れを払う。
並外れた実力のキアロが、あっさりと。お互いに本気でないことは知れていたが、それでも驚愕するべきことであった。
ロズ「さ、仕事ちょうだい」ズン
受付「うええっ!? あ、あの……」
ロズ「……なに?」
受付「えっと……キアロさん、どうするんですか?」
ロズ「……」
考えてなかった、とロズは振り向く。倒れているキアロ。意識はないようだが、このまま放置……というのはいかがなものか。
1 放置
2 お持ち帰り
3 介抱
↓1
84Res/60.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20