10: ◆mZYQsYPte.[saga sage]
2016/06/30(木) 19:27:23.91 ID:GUujIImdo
夜 海洋連合 トラック泊地環礁内
空母棲姫「これで私を同志と認めて下さるかしら」
離島棲鬼「先ほどの不相応な物言いは謝罪します。……それと、私の声を聞き届けて下さったことに感謝致します」
空母棲姫「次はラバウルかブインか。どちらにするの」
離島棲鬼「大妖精様からの御連絡を確認されてないのですか?」
空母棲姫「……? ちょっと待って」
確認すれば視界のウインドウに新着二件との表示が見えた。
空母棲姫「来てるわね」
空母棲姫「…………これは」
二通の内の一方、『Fromお父様』と差出人が明記されたメッセージには長々とした第八位の安否を気遣う親愛の言葉、そしてその最後に簡潔で明快に全軍まとめてハワイへ退却すべしとの命令が記載されていた。
空母棲姫「ハワイへ撤退、というのは文字通りよね」
離島棲鬼「ええ。それ以上の意味と解釈はありません」
空母棲姫「最優先目標だった『鍵』が見つかった」
離島棲鬼「もしくは鍵すら不要になった……私の差し出がましい憶測ですが」
空母棲姫「そうね。お父様の真意はどうであれ方針は決まったわ。全軍に撤退命令を」
離島棲鬼「了解ですわ」
空母水鬼「…………」
空母棲姫「どうしたの。早く麾下部隊へ指示を出しなさい」
空母水鬼「ごめんなさい。急いで実行します」
空母棲姫「……そう。よろしく頼むわね」
連合艦隊は完膚無きまでに殲滅されラバウルへ向けて敗走した。
無防備となったトラック泊地の施設は環礁内に入り込んだ深海棲艦と自爆により月の荒野へと変わり果てていた。
往年、人類の戦線を支え続けた中部太平洋の盾としてのトラック泊地の姿は最早無かった。
連合視点では深海棲艦のトラック攻略に際し非常に大きな損害を強いる戦闘を行ったつもりだった。
総司令部の中でも敵はトラック攻略後に一旦戦力再編成に専念するであろうから、その間ラバウルでは羅針盤を増設しより強固な防衛線を構築出来るだろうという楽観論的な見通しがまかり通りつつあった。
だが深海棲艦側にしてみればトラック攻略に出た損害の決算は……大量生産の出来ないブレインでもある上位種と第四位のコピー品、そして突出し沈められた序列第三位の存在に目を瞑れば想定の範囲内に収まる程度のものだった。
戦場から離れた穏やかな海で整然と待機する無傷の予備兵力はトラック攻略に用いたものと同等の規模であと四回は海戦を行うだけの余裕があった(ただし消耗が激しかった艦載機はその限りでない)
つまり深海棲艦側はただ部隊を交代されるだけで再編成が完了するのだ。
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