15: ◆mZYQsYPte.[saga sage]
2016/06/30(木) 19:39:55.21 ID:GUujIImdo
夜 海洋連合 飛行場姫の島
ヲ級改「急に呼び出してごめんね。ちょっと私たちじゃどうしようもなくて……」
重装兵「負けたから落ち込んでるのか?」
ヲ級改「仲の良かった艦娘や深海棲艦が結構居なくなっちゃってね」
重装兵「俺に慰めろと」
ヲ級改「うん。多分、今の姫様に届くのは貴方の声だけだから」
重装兵「……やってみる。期待はしないでくれよ」
ヲ級改「ううん。ありがとう。じゃあ私たちは外に居るから困ったらいつでも」
重装兵「ああ」
一人で部屋の中へと歩を進める。彼女は床で力なく横になっていた。
こちらに背を向けて寝ているから表情までは分からない。
長く白い髪がまるで敷き詰められた絨毯のように床で幅を利かせている。
彼女は乱れた髪を気にする余裕も無いほどに憔悴しているのだろうか。
重装兵「君の部下が急いで来てくれって言うから来たけどさ」
飛行場姫「……」
彼女に反応はなかった。少なくともその寂しげな背中を見る限り反応は無いように見えた。
重装兵「き、君のせいで戦いに負けたわけじゃない。あんまり落ち込まず――――」
飛行場姫「あそこで私が迷わなければ配下の深海棲艦が裏切ることは無かった」
重装兵「?」
飛行場姫「裏切りが無ければ七位が単独で戦闘を行うようなことも無かった。死ななかった」
重装兵「……」
飛行場姫「なぁ田中、誰かが死ぬのなんて悲しくないと思ってたのにさ」
重装兵「うん」
飛行場姫「今の私、全然割り切れてないんだ。昔みたいに死んじゃったものは仕方ないって全然思えないんだよ」
重装兵「……分かるよ」
飛行場姫「ブロンディの言う通り私弱くなっちゃってた。迷って悩んで、大事なものを失って初めて気づくなんて」
重装兵「うん」
飛行場姫「もうこれ以上失いたくない。でもきっと失っちゃう。私が弱いから日向や長月たちも側近も……きっとオマエまで」
重装兵「……」
飛行場姫「それが怖くて。体が動かない」
重装兵「怖がること無いさ」
飛行場姫「どうして?」ムクッ
俺の返事が意外だったのか、彼女は今日初めてこちらを向いて返事をしてくれた。
彼女の目はいつも通り赤くて綺麗だった。
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