【R18モバマス】輿水幸子「少年のファクトリア」
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35: ◆K1k1KYRick[saga]
2016/07/12(火) 15:29:17.26 ID:8RJxxcCro
「おーい、誰かいるのかー?」

暗くなりかけた教室のドアを見廻りの先生が開けて覗いた。

「居ないのか。トイレだな、きっと。放課後は早く帰れよー」

先生は尻を掻きながらトイレの方へと歩いていった。

スリッパの音が聞こえなくなるまで、僕と輿水さんは教壇の下に重なって隠れていた。

「……まだ居ますか?」

「ううん。もう向こうに行ったみたい」

僕は輿水さんのシャツを整えた。彼女はその間ずっと笑顔だった。

それは僕が見たかった、いつものあの笑顔だ。

「……もう、カワイイボクをこんなに
 乱暴に扱うなんて、本当に君はケダモノですね!」

輿水さんは教壇にかけた手で頬杖をつきながらズボンを穿いている僕を笑った。

「ごめん……」
「僕がカワイイからと言ってこんな事をするなんて
 君にはもっともっとしつけが必要なようです。
 ……でも、お陰で何か吹っ切れちゃいました」

輿水さんは僕の胸に顏を埋めた。

僕も反射的に彼女を抱き締めた。

「君とプロデューサーさんなんて比べ物にならないんですからね。
 だから……これから一杯ボクを愛して、プロデューサーさんの事
 忘れさせなきゃダメですよ、良いですね?」

鼻先を人差し指で押された僕は大きくうなづいた後、輿水さんにキスをした。

このキスは誓いのキスだ――僕が永遠に彼女のものになり

愛し続けるという意志そのものだった。


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