善子「彼女とゲヘナへ堕ちたなら」
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9: ◆wOrB4QIvCI[sage]
2016/07/17(日) 02:40:02.92 ID:Os4DEw890

◇――――◇



 トイレには、いなかった。わざわざ違う場所のトイレにいくだなんて、考えられないし、なら、一体……。

 その時点で、私の足は普段よりも早くどことも知れぬ場所を目指していた。怪我はしてないだろうし、保健室はないよね。じゃあ二人は一体どこに。

 
 そして、トイレの奥にある教室へ近づいた時だった。



善子「――好き、好きに決まってる!!!」


 いつだったか、雷を呼び寄せたみたいな、そんな叫び声を聞いた気がする。そう、向こうの教師から響いてきた、怒号は、それにかなり、近い。ううん、私が聞き間違えるはずなんて、ない。――よっちゃんの声だ。


 でも、どういうこと? 好き? ……わかん、ない。


 そーっと、足音を忍ばせて、息を殺して……教室の中を覗き見る。


梨子「っ!?」



 わけが、わからなかった。

 
 教室の机に座り込むよっちゃんの正面から、マルちゃんが……抱きしめている。

 よっちゃんの背中をさすって、耳元で、なにか、囁いているようだ。

 よっちゃんのすすり泣く声が、微かに、聞こえる。


梨子「どういう、こと……?」


 好き? よっちゃん……マルちゃんのこと、好き……だった、の?

 わけが、わからないよ。あんなに、私のことを好きって言ってくれたじゃない、リトルデーモンの証って言って何回も何回も……契約をしたでしょう?

 ……全部、裏切る、の?


 それとも……なに、私が、ちょっといじわるしたから……愛想、つかされたの?


 涙が溢れそうになった。でも、まだ練習は続いてる。ここで泣いてしまったら戻ってからみんなに迷惑をかけて、しまう。見ていれば、みているほど、頭を抱えて、叫びたくなった。でも、出来なかった。

 どこか冷静にこの状況を判断している自分がいる。

 何かの間違いだよね、もう少し、様子を見てみよう……。



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