54:名無しNIPPER[saga]
2016/07/29(金) 23:46:28.27 ID:52cPFxDm0
魔王「!」
魔王は目を瞠る。 勇者を中心とした放射状に、地平線の先から光が尾を引いて集っていた。
その光の数は、もはや数え切れる量ではなく、勇者の周囲に集まったそれは、果たして無数の武器であった。
勇者は一定空間内の引力と斥力を操ることを可能とする宝玉を手に掴むと、魔力を込めた。
勇者の周囲に転移させられた武器群の矛先がすべて魔王へ向く。 その数はゆうに一万を超えていた。
魔王「ほう」
初代勇者「物質転移呪文」
勇者の周囲の武器達が、光を帯びた。
その次の瞬間には魔王へ向け射出される。
転移呪文を利用することにより超加速された武器達が、勇者の持つ宝玉に制御され高速で魔王へ向け駆ける。
突如として魔王と勇者の間に現れた岩壁が、その攻撃を阻んだ。
突き刺さる武器達が岩を破壊する、一瞬で粉々に砕かれた巨岩、それによる粉塵を吹き飛ばしながら武器の雨が魔王を襲った。
魔王は鎌を巧みに振るい、武器弾を弾き飛ばしてゆく。
最初の岩の防御により5分の1は勢いを失ったが、まだ大半の武器は脅威となり得る速度を保って魔王に向け突き進んでいた。
しかし魔王、自身に命中する武器のみの選定し、最小限の動きで捌く。
躱され地面に突き刺さる剣
砕かれ粉々に散る槍。
魔王が弾いた斧と激突し速度を失う剣
突き刺さる武器群により破壊された地面から噴き出す粉塵を切り裂き、火花と金属音を奏でながら魔王は勇者の攻撃を的確に凌いで見せた。
時間にして10秒にも満たない、勇者が地面に着地するその時には、すでに攻防は終了していた。
無数の武器の突き刺さった大地に立ち、無傷の魔王は勇者を見据える。
先ほどの行動ですでに8割の魔力を失っていた勇者は、しかし不敵にほほ笑んだ。
初代勇者「魔法反射呪文」
魔王「!?」
魔王の周囲に散らばる武器達、そのうちの何百本かが発光する。
魔王「――ッ」
次の瞬間おこる大爆発。 膨張する光により大地がめくれ上がり、やがて爆ぜる。
その圧倒的なまでの破壊は周囲一帯を蹂躙し、後には巨大な漆黒のキノコ雲が紫電を迸らせながらもうもうと立ち上った。
魔法効果を内蔵した武器達を一斉に起動したことにより起こるそれは、勇者の最強呪文をはるかに凌ぐ威力を誇っていた。
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