勇者(Lv99)「誰が僧侶を殺したか」
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7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/18(月) 19:32:26.15 ID:cFv/wKjw0
僧侶「……うそぉ!」

 煙の晴れた先、焦げ跡を残しながらも無傷な城壁を目に、彼女は目を瞠った。

戦士「やっぱり、城を壊しながら進むのは無理みたいね」

 どこか予測していたように戦士は溜息を吐く。

勇者「まぁ、わかってたけどな」

 勇者もやれやれ、と溜息を吐いた。

勇者「しかしこの馬鹿でかい城から魔王を探すとなると骨だな」

戦士「中の魔物を締め上げて、居場所を聞き出すのが手っ取り早いのではないかしら?」

勇者「……だな」

僧侶「ねぇ、そんな事あとでいいから早く入ろうよ、びちゃびちゃでキモイんですけど」

 僧侶は雨に濡れる体に顔をしかめる。

魔法使い「お前、こんな時くらい黙ってろよ、中で魔物が待ち構えてるかもしれないだろが」

 魔法使いは僧侶を睨む。

僧侶「ふん、今更魔物なんて私の槍で一発だっつーの、聖天の槍!」

 僧侶はそう言って、ふくろへむけ手をかざした、かざした手に光の帯が集い、槍の形に収束すると実体化する。 そうして彼女は実体化した槍を得意気に振るって見せる。

魔法使い「どわっち、あぶねぇなバカ」

僧侶「はぁ!? バカとは何よ! 武器も出さず丸腰でぼけっとしてる方がバカでしょ!」

魔法使い「いや! 振る必要性!」

 ギャーギャーとやりあう二人の姿は、この旅が始まって3年、すでに見慣れたものになりつつあった。

 そんな二人を無視し、勇者はふくろへと手をかざすと口を開いた。

勇者「開界のオーブ」

 光の帯が勇者の手のひらの上で絡みあい、銀色に輝くオーブとなる。

 勇者は目の前、二メートルはあろうかという両開きの扉の前に立つと。 扉にオーブを近づける。 すると扉が反応し、一度瞬いたかと思うと、ゴウンと音をたてゆっくりと開き始めた。

魔法使い「おいマジか!」

 魔法使いは焦りながらふくろから杖を取り出す。

 扉が開き切った先、そこには何もいなかった。

 むき出しのクリーム色の煉瓦作りの室内。 城内に入ると、それ以上まっすぐには進めず、左右に廊下が伸びている。

 等間隔に吊るされたランタンが唯一の光源だった。 中は静かで、インテリアの一つもない。 というより生活感が全くない。

僧侶「なんだか……想像と違う」

 拍子抜けした僧侶はそう言って、若干肩を落とした。



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