90:名無しNIPPER[saga]
2016/08/06(土) 12:56:00.68 ID:SfwyFCTI0
第28話 真相との対峙
石碑の広場を超えた先は、なんの変哲もない一本道であった。 分かれ道もないただ曲りくねった通路。 一日歩き続けた勇者は、適当な場所で横になると、魔王城に入ってから初めて安心して眠った。
目を覚まし、身支度を整えるとまた歩き出す。 途中道に赤い塗料を塗ることも忘れない、そうして歩いていた勇者は、目を前に巨大な扉の存在を認め立ち止まった。
勇者「……」
勇者はふくろから王者の剣を取り出す。
悪魔をモチーフにした禍々しい装飾の施された二メートルほどの高さの扉を見上げ、一つ大きく息を吐いた。
そのあからさまな扉を、勇者は勢いよく押し開ける。
勇者「!?」
勇者は目を見開く。 扉の向こうは、ただ開けた空間が広がっていた。
100メートル四方の正方形の部屋に勇者は足を踏み入れる。
いつまでも続く静寂の中で、勇者は向かいの壁際に渦を発見した。
青い渦、旅の扉と呼ばれる時空のゆがみである。
このワープポイントの先がどこに続いているのかは見当がつかない、しかし、まだ先に進めることに勇者はホッと安堵した。
おそらくこの先に、魔王がいるのであろう、そうであるならこの魔物一匹いない魔王城にも説明がついた。
勇者は歩き出す。 その勇者を追い越して、足を止める者がいた。
勇者「――? !?」
突然の事態に勇者はぎょっと目を瞠った。
「ここが終点だよ」
そいつは勇者と向き合うと声を上げた。
勇者は絶句する。
目の前に立つことはおろかしゃべれるはずがない者の姿に、勇者は即座に発することのできる言葉を持たなかった。
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