103: ◆BRVDE48Y6OxB
2016/08/25(木) 12:32:40.48 ID:1G1nvqDW0
第5話「多重能力者」
ホワイトクラウンが新東京駅の北側、新東京公園をナワバリにしているのと同じように西側の
洞巌公園は黒十字が仕切っている。
噴水広場を中心とした円状の公園にはほぼ常に
黒い服装の男らがいる。
噴水近くの大理石に腰をかけているのは牧、黒十字のアタマの男だ。
彼は常に片手に本を持っていた。
彼の顔はというと確かに綺麗な顔立ちをしていて男前だがこれといった特徴のないフツウである。
しかしホワイトクラウンのような寄せ集めとは違い黒十字は牧を崇拝するかのように硬い結束で結ばれている。
まるで一つの宗教団体だ。
これは彼の能力による。
彼の能力は接触感知というもので触れたものの
残留思念や潜在意識を把握する能力であった。
これによって部下の生い立ち、トラウマ、癖を見抜きあたかも全知全能のように崇められている。しかしこれは彼が自ら装っているわけではない。限られた人間が波動、オーラ、闘気といった同一のそれを備えているとはいえ、部下の中では皆、牧が語らないにしても何らかの能力を持っていることは解っていた。だけれども部下のほとんど、いやその全ては彼に対する強いロイヤルティを抱いているのである。
彼の能力はそれとは別にあるものがある。
精神細菌。これは対象に芽というものを感づかれずに植え付け次第にその精神世界を気づかれずに支配するというものである。
そんな業物な能力を持つ彼には今悩みがあった。
北からのホワイトクラウンの侵撃に加え、
南東からの赤木組による思惑が見え隠れしていたからだ。
これは街の顔役、島大和が突如いなくなったからである。
これによりほとんどのこの街の組織に隙が生まれまるで冷戦のように互いを睨み合うようになり始めた。
そんな中ついにホワイトクラウンから果たし状が部下数名をボロ雑巾のようにされた上に届いた。
決断のとき、といっても彼には進むことしか許されなかった。部下の皆が自分に期待している、これは彼にとって辛いと感じさせていたのである。
精神干渉系統の能力を持つ彼の悩みは実にセンチメンタルなものなのである。
三日後、ホワイトクラウンと黒十字の抗争が始まることになる。
ホワイトクラウンは足に電動制御の車輪を付け
壁を軍隊蟻のように滑り走る。
反対に黒十字の面子は彼らの縄張りを動かず
じっと構え防御の一点であった。
実力は拮抗、数で誇るホワイトクラウンに対し、黒十字は吸血鬼が十数名いるため少数精鋭型にホワイトクラウンはなぎ倒されていく。
抗争が始まり、一週間が経った頃ついに桐島と
牧の大将戦が始まろうとした。
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