新東京物語
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105: ◆BRVDE48Y6OxB
2016/08/25(木) 12:33:57.07 ID:1G1nvqDW0


明と名乗る青年は桐島の本来の人格である。
これを説明するにあたって桐島涼の生い立ちを語る必要がある。

まず、桐島涼は日本人ではない。
彼は中東系の出生国不明の若者である。

かつて中東では日本国と同じく20年ほど前、
エネルギー資源の争いによる内争が頻発していた。
しかし彼ら同士が戦っていたわけではなく、
それぞれが雇ったPMCによる間接的なものだ。

桐島涼はそんな争いの中で命を授かる。
彼は文字の前に安全装置の外し方を習った。
そして本を読めるようになる前に人を殺した。

戦争による悲劇そのものである。

それから内戦が終わると彼は七つだった。
当時内戦が終わった中東では観光ブームが到来し多くの観光客が押し寄せたという。

そんな観光客の中にある博士がいた。
彼は心理学を専門としていた。
そんな彼は涼のことをほんの少しだけ不憫に思った。
しかし博士は決して人格者ではない。

まず博士がしたことは涼という実験素材による
人格の植え付けだった。
戦争の悲劇による殺人のプロをうまく隠すためにリセットしてしまおうと考えたのだ。

博士の目論見はうまくいった。
穏やかな人格は表となるようにそのままの名を名付け、かつての人格は裏となるよう新しい名前の明と名付けた。

それから博士は涼を手放し、涼は新東京に居ついた。

そんな中、精神干渉という涼の心の錠を開けるような真似がなされたことによって再び凶暴人格の明が目覚めたのだ。


明は腰からバタフライナイフを取り出すと
牧との間合いを瞬時に詰めるが如くナイフを展開させながら高速移動する。

普通、波動というものは自然現象系、身体能力系、精神干渉系、武装系、波動変化系と別れていて大体の能力者はそれらのうち二つのコンパウンドである。だが、人格が変わると能力は変わらないにしても系統が変わることがある。

涼の系統は自然現象系と波動変化系だった。
しかし明と交代することにより白い電撃から
紫電という自然現象系と身体能力系に人格と共に変化したのだ。

この勝負、こうなると明らかに牧は分が悪かった。精神干渉系という肉体攻撃をほぼ伴わない系統に対して高速移動が可能な身体能力系は相性が悪すぎる。

しかし、第三勢力の参入がこの勝負の行き先を
闇に葬る。

明のナイフが牧の首元に刺さろうとしたとき、
黒い影が明の首元を狙う。

「この勝負、ウチがもらった」

赤木組若頭、[禁則事項です]である。

彼はビルの上から三人を見下ろした。
明の首元を抑えるは殺し屋ウォーカーだ。

明はそのとき全てを悟った。
これは罠だったと、はじめからこの抗争は彼らの手によって構想され計られていたと。

「正解だ。クソガキ壱号、
此のシマはうちの管轄と
此のときを持って決めた。
何、少し協力してほしいことがあるんだ。
そこのクソガキ弐号もな。嫌だったらうちの
百鬼夜行と戦争だぞ」

この状態で二人はうんと頷く他ない。
互いに闘気を使って披露している上、百鬼夜行などというわけのわからない妖怪を相手にするのは生命の危機を感じるほどの馬鹿げた話だったからだ。

「クソガキにしては聞き分けがいいな。
話はそこの吸血鬼が話す。黙って聞いとけ」


この街の人間が生命の危機に侵されているのは
何らおかしくないことである。
しかし今回はちょっと、いやすごく話が違うようだということは子供でもわかった。


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