新東京物語
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96: ◆BRVDE48Y6OxB
2016/08/11(木) 22:54:41.63 ID:EAELfEue0

「愚か者め、ついてこい」

長い白い髭を蓄えた住職は本堂から立ち去り、
そのあとを二人は追う。

別の御堂に来ると明かりは薄暗く、
四隅の柱には修行の身の弟子たちが闘気を放っている。

「儂に、一撃を加えてみよ」

厳かに住職は構えをとる。

大和は目を閉じ、目をカッと見開く。


畳を親指で掴むようにして急発進する。

そのまま接近するのかと思いきや間合いに入るか入らないかのところでまた親指を軸にして
動きを変える。

しかし大和の動きに住職は動じない。

背後から一撃を加えようとした。
しかし住職はそれを左に回転しながら躱す。

僅か、一瞬の大和の伸びきった拳を見逃さなかった住職は左足の突きを大和に与える。

全身に闘気を纏っていた大和は辛うじて外傷を
つくらないかったが強く吹き飛ばされ内臓はダメージを負っていた。

追撃するようにして柱にもたれる大和に闘気を込めた突きを放つ住職。

大和はそれを避けると柱は消し飛んでいた。

寺の中は滅多に傷つかない。
結界のようにして弟子たちが常にオーラを寺に纏わせているからである。

しかし住職のあまりの一撃に寺の柱は耐え切れなかった。

大和は体勢を取り直して動きを撹乱する。

けれどもまたしてもその動きは住職に看破され通用しない。


畳の上に大の字になる大和。

「貴様は動きが単調だ。心を読まずとも
わかる動きはあまりに軟弱だ!」


大和の長い修練は始まったばかりであった。



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