116:名無しNIPPER[saga]
2016/08/05(金) 18:31:53.32 ID:0/G1P+FM0
弓使い「胸の閊え?」
男 「ああ。革命の後、猟師としてアイツらから離れて暮らしだしたころからずっと引っかかってたことがある」
男 「俺は確かにあのとき、俺たちの未来のために戦った。そしてその後は他国にもまだ大勢いる俺たちと同じ境遇の人やエルフを助けるために腕を磨いていた」
男 「もっとも、まだまだガキだったから考えなしで、そしたら心を磨いてこいって言われて猟師をやらされて……」
男 「で、そうしてアイツらから離れてみて、静かなところで暮らしてるうちにふと自分は本当に奴隷にされてる人たちを助けたいのか疑問に思えてきた」
男 「俺は虐げられて人々を救いたいんじゃなくて、虐げている奴らを殺したいだけなんじゃないかって」
男 「他の誰かのためじゃない、俺の虐げられていた時の鬱屈した昏い感情をぶつけたかっただけなんじゃないかってな」
男 「何せ穏やかな暮らしってのをしてみればあれだけ強かったこの世全ての奴隷を開放するって想いがドンドン薄れていっちまって」
男 「このまま静かに過ごせていければいいや、なんて考えることが少しずつ増えていっちまったんだよ」
男 「結局は他の奴のことなんてどうでもよくてさ、自分だけがよければそれでいい。なんてさ」
エルフ「…………」
男 「でも、主殿の考えを聞いてようやく分かった気がするんだ。利己的でもいいだって、それはしょうがないんだってな」
弓使い「しょうがない?」
男 「しょうがないんだよ。生きるためには食わなきゃならん。食うからには食う対象から命を奪う。自分が生きるために他の命を犠牲にする」
男 「全くもって利己的だ。己の命の為に他に害を成す。それが生きていくってことなんだろうな」
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