54:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 20:54:24.49 ID:eJ9Fl88GO
龍人「……沈み始めたな、白鳥」
由紀「そりゃ知ってますよーだ。わたしの方がずっと長く海見てるんだよ」
由紀「他に見るものないもん。せいぜいお兄さんくらい」
せいぜいとはなかなかだ。せっかく、少し心配したのに。
この地に囚われた彼女は、死の恐怖に怯える事のない代償として糸に縋る権利を失った。
命があるかどうかに関わりなく、すぐ沈むかいつか沈むかの選択肢を失う事は、この世界で苦しい事だと思う。
龍人「まあ、せいぜい困ったら言えよ」
由紀「……」
海と俺しか見ないのであれば、海に悩みを吐くわけにもいくまい。
由紀「そんなもやもや顔で、優しいっぷりして」
龍人「悩んでない奴なんかいない。俺もだ」
俺も逝くとは言わなかった。
64Res/59.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20