53:名無しNIPPER[saga]
2016/08/18(木) 12:35:10.41 ID:zDdx1apcO
足の先こそ無いが、同じように脚を伸ばして隣に腰掛ける。
由紀「どうしたの、お兄さん。元気ないね」
龍人「ああ……色々とな」
由紀「ふーん」
白鳥は俺の視線の先を追った。
不透明なエメラルドの海が、陽光を受けキラキラと揺れている。
俺はこのメルティウムと化した、劇物でもある海が……実は好きだ。
由紀「お兄さんにも悩み事ってあるんだ」
龍人「おい、失礼だな?」
由紀「だって、いろいろ頓着しないように見えるし」
白鳥は、2年前に自殺して亡くなった。
理由は……この世界でわざわざ言う事でも無い気がする。
彼女は、どうも俺にしか姿が見えず、声も聞こえない。誰かといるとどこかへフラフラ消えてしまう。
生きていれば丁度俺と同い年であったが、妹のように扱っていた。
龍人「バーカ。さっき、お前の事を話してた頃だよ」
由紀「うえっ? マジ?」
龍人「色々隠して、だけどな。」
壊れてしまった人こそが、掴みたかった糸。
あれは当てずっぽうな思想で口にした訳ではなく、先達者として佇む、隣の少女を思って出た言葉だ。
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