星輝子「ロックお礼参り」
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10: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:41:24.36 ID:+97iSg7EO

 舞台袖を出て幕の上がってないステージに立つ。もうバックバンドも準備万全だ。会場の熱気どこまでも上がっていく。鼓動が早まる。血が滾る。私の小さな体に熱いものがブーツの先から尖らせたネイルまで隅々に行きわたる。悪くない感覚だ。
 ライブ前のアナウンスが終わり、照明が落ちる。荒々しいギターサウンド、地鳴りのようなべ―ス、体と空気がドラムの音で震えている。今、幕がゆっくりと上がっていく。舞台袖の隙間から見えた赤い光は、真正面に立つとまるっきり赤い海だ。幕が上がりきる前から赤い海は吼えっぱなしだ。スピーカーからの爆音を背負い、歓声を上げる大津波の前に陣取る。今すぐにでも叫び出したい衝動に駆られる。まだ、まだだ。掻き立てられた鼓動を一度だけ抑え目を閉じる。



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