38: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2016/12/26(月) 22:44:34.80 ID:QVD1NfM70
ノンナ「……最悪な気分です」
カチューシャ「あら?放置プレイは気に食わなかったかしら?」
ノンナ「そうではありません」
私は自分が企てていた計画のすべてが水泡に帰したことを悟っていた。そして、それは目の前に立っているであろう女がやったことも。
カチューシャ「……あなたが怒っているのもたいてい想像がつくわ。いままで積み上げてきた企みが、あたしの手によって何もかも台無しになっちゃったんだから。でも一番腹立たしいのはなにかしらね?」
カチューシャ様は私に問いかける。先ほどまでの詰問するような言い方ではない。諭すような物言いだった。
カチューシャ「……あなたは誰が一番大切なの?誰に忠誠を誓って誰のために生きて誰のために死ぬの?」
ゆっくりと私の周りを歩く音がする。脳髄の奥深くまで染み込んでくるようだ。
ノンナ「……カチューシャ様、です」
カチューシャ「そう、あなたはこのカチューシャ様に全てを捧げると言ったはずよ。だからこんなことに付き合ってあげてるのに……余所見なんてしちゃうなんて、駄犬ね」
ノンナ「余所見などしていません!ただ私は」
カチューシャ「言い訳は結構よ。そのための制裁も加えることにしたから」
ノンナ「……」
カチューシャ「いまからあたしがあなたに付ける焼き印の言葉を教えてあげましょうか」
カチューシャ様は足を止めない。いまどこにカチューシャ様がいるのかがわからない。長い間拘束され続けたことと、あらゆる精神的疲労が私の感覚を鈍くさせていた。
カチューシャ「それはね、こう書かれてるの。『私はカチューシャ様の二番目の犬です』ってね」
ノンナ「……二番目?まさか!!」
カチューシャ「カチューシャ様以外の人間に余所見しちゃうような犬は二番手ね。これからはクラーラをあたしの一番の犬に仕立て上げるわ。もちろん、クラーラにはこう付けたわよ。『私はカチューシャ様の一番目の犬です』って」
ノンナ「そんな!……それはあんまりではありませんか!私は!私はあなたがいなければ!」
カチューシャ「いいえノンナ。あたしはあなたを捨てたりしないわ。ただ一番目じゃなくなるってだけよ」
ノンナ「そんな……こんなことって……」
私は絶望感から涙が目隠しを濡らした。どんな責め苦でもよろこんで耐えられたが、こんなひどいことなどあっていいはずがない。
カチューシャ「あら、泣いちゃったのね。どうしてそこまであなたはショックを受けているのかしら?」
ノンナ「……わかりません」
カチューシャ様が足を止める。そしていつの間にか、私の耳元に顔を近づけていた。そして、囁く。
カチューシャ「それはね、あなたの中にいる蛇がそうさせるの。決してあなたが悪いわけじゃないわ」
ノンナ「……蛇?」
カチューシャ「そうよ。あなたの体の中には悪いわるーい蛇がいるの。だからあたしが退治してあげるわ」
ノンナ「お願い、しますカチューシャ様。その蛇を、私の中の蛇をどうか……どうか!」
カチューシャ「ええわかってるわ……ただ、ちゃんと耐えて、ねっ!!」
ノンナ「ああああぁぁあああああぁぁぁ!!!」
私はヒューズがとぶように、気を失った。
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