9: ◆Freege5emM[saga]
2016/09/19(月) 23:58:49.60 ID:YmRrF0g1o
●1-08
「……にゃ、にゃははっ、言ってみただけ……ホント、あたし、悪い子だ……」
ダメって、言われちゃったた。
プロデューサーとアイドルは、そーゆーコト、シちゃいけないんだって。
それは、あくまで建前だった。
すがすがしいほど曇りのない建前だった。
あたし、別に怒ってないよ。
建前だって、大事だもん。
例えばあたしが、コトバとか仕草とかシチュエーションとか、
アイドルとして持ってるモノだけでキミに“Yes”と言わせたかった……
ってのも、あたしの大事にしたかった建前だもん。
「明日には……あ、もう12時過ぎ……じゃあ、夜明けね。
夜明けには、周子ちゃんを祝ってあげられるハズだから……」
でも、建前で通じないのなら、本音でぶつかるしかないよね。
「だから、今夜……ううん、長くはとらせないよ。明日もあるし。
少しだけ、あたしに付き合ってくれるかな? ホラ、あたしだって頑張って5位に入ったじゃない」
あたしはプロデューサーと正対してその目を見つめながら、
後ろ手で机に並べたふたつの薬ビンのうち、ひとつを手にとった。
周子ちゃんでもなく、夕美ちゃんでもなく、ましてほかの誰でもない、
あたしとキミの、イケないセカイに続くトビラ。
あたしは、その向こうに行きたい。
ああ。あたし、もうフツーでもなんでもないや。
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