8: ◆Freege5emM[saga]
2016/09/19(月) 23:58:20.51 ID:YmRrF0g1o
●1-07
涙目で、プロデューサーを見上げる。
あたしは、とってもずるい子だ。
あたしは、とーっても悔しい。それは確か。
でも、負かされた相手が周子ちゃんだ。知った仲だから、辛うじて認められる。
おそらく、一晩泣いた翌日には“おめでと。それと、ごめんね”ぐらいは言える。
プロデューサーもきっとそう思ってる。
だから、今夜じゃないといけない。
あたしに、アイドルとして『ヒトのココロの動かし方』を教えてくれたのはプロデューサーだ。
あたしが泣き落としかけても、釈迦に説法。いつもなら流されちゃう。
でも、今なら。
「ごめん、ね。あたしのせいで、周子ちゃんの、プロデューサーの、晴れ舞台、ぶち壊しだね……」
あたしは、初めて負けてココロをへし折られたかのように泣ける。
「ふっふ……黙っちゃって、困ってる、困らせちゃってる?
あたし、いけない子だね……自覚があっても止められない」
プロデューサーは戸惑ってる。どうしたらいいか迷ってる。
やった。あたし、少しだけど、キミのココロを揺さぶってる。
「なんでもいいから、しゃべって? キミの声が聞きたいから。
……でも、できれば、なんだけど」
アイドルがヒトのココロを奪うためにキラキラする存在であるなら。
あたしがアイドルとして望むコトは……ガラスの靴が叶わないなら……
「キミのココロをあたしだけにもらえたら、あたし、もう一度アイドルできるかも」
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