253: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2016/12/31(土) 15:38:02.63 ID:eFXi0ApIo
(すごい)
……けど。
(あれ?)
ここ、こんなに狭かったっけ? 座席ってこんな木製のベンチだったっけ?
人がぎっしり座っている。
ステンドグラス、燭台で煌々と輝く何本ものろうそく。
訳が分からない。眉を寄せて考えていると横からラフな格好をした誰かが話しかけてきた。
「よう。まだ寝ぼけてる?」
(んん?)
「チビさやかカワイイからもうちょっとこのままでもいいけど」
「きょーこ」
するりと口から相手の名前が出て、それからゆっくり思い出した。小さな姿のまま、さやかは隣に座るいつもの杏子を見上げて「はぁ〜〜〜」と息を吐いた。
「………ナニコレ」
「さあ、なんだろうな。場所を聞いてるんならここはウチの教会」
「あれ妹さん?」
「うん。モモだ」
杏子の声が少し震えてる。
「どう? 何年も前のクリスマス礼拝。みんな喜んでくれたなあ、これは」
「いつもオルガンはお袋が弾いてたんだけど、あたしとモモでやらせてくれって頼んで」
「けっこう無茶苦茶だったんだ。モモがメロディー歌ってあたしが高いとこも低いとこも引き受けてさ。大勢で歌う曲なんだ」
さやかは──元の姿に戻っていた──杏子の手を握った。
「泣くな杏子」
「説明してるだけだろ、泣いてない」
あたたかい拍手に包まれてステージの二人は席に戻って行った。
318Res/339.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20