マミ「QBかく語りき」 QB「君らしいね」
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254: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2016/12/31(土) 15:40:10.40 ID:eFXi0ApIo

「あれが恭介だよ」


いつの間にか二人は一緒に天才と称される幼い少年のバイオリンを聴いている。少年の演奏は間違いなくこの発表会における目玉のひとつだった。ホール中の観客が注目している。


「すごいでしょ。音が全然違う」

「さっきの子たちより明らかに音が大きいしきれいだな。それに迫力がある」

「音量についてはね、バイオリンの大きさが違うの」


身体と楽器の見た目のバランスが他の子どもたちと違う。楽器がより大きく見える。


「子供用のバイオリンのサイズって細かく幾つも段階があってね。身体の成長に合わせて変えていくんだ。
楽器が大きければそれだけ音が大きくなるし、響きもぜんぜん違うの。
恭介は腕も指も長い。あと、関節や筋なんかも柔らかくてね、上の合わないサイズでも弾きこなしちゃうの」

「へえ」

「先生やご両親は止めておけって言ったんだって。曲芸みたいなもんだからね。
でもあいつ、どうしてもこれじゃなきゃだめだって。音に拘りがあるんだ。
出せる音をちゃんと出したいって」

「ふうん」

「あはは……つまんない?」

「いいや、続けて」

「あたしが一番最初のファンなんだ。本人の前で宣言したもん」

「そっか」

「この日の発表会でファンをだいぶ増やしたと思うんだよね。
バイオリン辞めたくなった子もいたかも」

「そっか。すごいやつなんだな」

「うん。よく、知りたくて」

「ん」

「クラシックは聴きまくったし、本も読んだ」

「そっか」

「…………」

「泣いてる?」

「泣いてないってば。魔法少女になったことは後悔してるんだけどさ」

「うん」

「あいつの腕が治ったのはほんとよかった」

「そうか」

「あの天才の腕が失われるなんて人類全体の損だ、とか思ったもん」

「大ファンだな」

「これからもずっとね」

「そっか」



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