37: ◆3p/WQ9F.xY[saga]
2016/10/09(日) 07:00:23.01 ID:aCC5mt/h0
【???】
船の上だった。
照りつけるような太陽に反し船が浮かぶ海は暗い。
漆黒の闇が波打ち、船にぶつかり音を立てる。
人の声などしない静寂の中、一人の少女が立っていた。
???
「何もない……」
???
「何も得ない……」
寂しそうな顔をして少女は呟く。
少女らしいかわいらしい声で淡々と。
???
「誰かの何かを勝手に奪って……!」
俯いて頭を抱える少女の声が低くなる。
うなされるように頭を振り、一転してヒステリックに叫ぶ。
静かな海の上で、誰にも届かない筈なのに。
???
「なら私も――奪っていいんだよね?」
少女の身体から黒いオーラが放たれる。
最初は弱かったそれは徐々に力を増し、一瞬停止する。そして爆発した。
船が揺れ、海に衝撃が伝わり波が起こり、それでもそのすぐ後には何事もなかったかのように静寂が戻る。
???
「壊してやる。全部……全部!」
怨嗟の込められた声に空気が震え、少女の放つ威圧感が強まる。
彼女が壊そうとしているものが何なのか。それは『見ている』『私』からは少しも分からなかった。
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