5: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2016/10/07(金) 20:27:40.76 ID:mFpjnES+0
可笑しい。
Pくんの声量は十分であったと思うのだが、言葉の内容が理解できない。
この文脈で何故そんな言葉が出てくるのだろう。
日本語によく似た別の国の言葉だったのかな?
まったくもって可笑しい。
あい「す、すまない、Pくん…よく聞こえなかった…」
P「……俺はあいさんの気持ちに応えられません。ごめんなさい…」
あい「ぇ…………っ」
聞き間違いでも、外国語でもない。
拒否。
何故だ?
私の見込みでは…そう見込みだ、期待なんかじゃない。
『〜だったらいいな♪』なんていう都合のいい期待なんかじゃなく、私と彼との関係を客観的に評価した上での見込みでは、承諾の答えが返ってくるはずだったのだが?
何故だ?
何故だ?
あい「なぜだ!?」
P「あ、あいさん…っ?」
驚いた顔のPくん。
気付けば水を打ったように静まり返ったバー。
他の客からの視線を感じる。ひそひそ声もする。
どうやら、自分で思ったよりも大きな声を出してしまって注目の的になってしまったらしい。
あい「ご、ごほん…失礼…」
わざと気障ったらしくグラスを掲げて見せ、なんでもないというアピールをして、どうにかバーの雰囲気を回復させる。
しかし、頭の中は乱れっ放しだ。
彼に恋人がいないのは周知の事実。
私がPくんにスカウトされてからというもの、他の誰よりも長い時間を一緒に過ごしてきたし、最近では際どいジョークを言い合えるほどに気心が知れている。
彼には私の他にも担当する子がいるが、公私に関係なく彼が一番気にしているのは私のことだという自負もある。
それに彼が私に熱の籠った視線を送って来ることがあるのは絶対に私の勘違いではない。
しかも彼は、アイドルの恋愛に関しても『露見しなければ良いのでは』というスタンスの人間だったはずだ。
何故なんだ?
あい「理由を…聞かせてくれないか…?」
P「そ、それは……」
あい「君と良い関係を築けていると思っていたのは私だけだったのかな…?」
P「俺も…っ! そう…思っています…。他に好きな人がいるとか、あいさんがダメだとか、決してそんなことではないです…。俺だってできることなら…できるなら…あいさんと……い、いえ……とにかく、全部俺の個人的な理由のせいで、あいさんの想いに応えることはできないんです………ごめんなさい」
Pくんが何か聞き捨てならないことを言ったような気もしたが、三度目のごめんなさいに完全に打ちのめされてしまって、それどころではない。
あい「ぁ…はぁ…はぁ……」
体に力が入らない。
胸がズキズキと痛む。
高山にいるように頭がクラクラする。
顔の表情が勝手に変わっていく…あぁなんてことだ…私は今涙を流そうとしているのか…!?
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