5:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:54:27.36 ID:Q99nY2kzo
父よ、どうして貴方は戻ってこないのですか。
貴方が居ない間に家には情夫が出入りしているのです。
母はたぶらかされ、ただの喘ぐ豚と化しているのです。
6:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:55:29.37 ID:Q99nY2kzo
私は気分を晴らす為、ラジオへ手を伸ばした。
ちゃぶ台の上に置いてあるラジオ。
ダイヤルを捻って周波数を合わせる。
7:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:56:10.46 ID:Q99nY2kzo
ドオン、ドオン。
扉を激しく叩く音がする。
ドオン、ドオン。
8:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:57:02.51 ID:Q99nY2kzo
歓声の波は玄関を、廊下を、便所を、そして居間を飲み尽くした。
赤い波は私の膝までひたひたと濡らした。
私は真っ赤に染まった室内を見回した。
9:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:57:43.44 ID:Q99nY2kzo
私はひどく咳き込んだ。
四つん這いになり、げほっげほっと二、三度やった。
ピヤア、ピヤア。
10:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:58:34.74 ID:Q99nY2kzo
空を見上げると悠然とハクトウワシが飛んでいるではないか。
まるで自分の物のように空一杯に翼を広げているではないか。
私は怒りに打ち震え、足元の石を拾い、ハクトウワシに投げつけた。
11:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 04:59:27.22 ID:Q99nY2kzo
糞が染みて肩がべとべとする。
私は茫然自失、すっかり思考を失った。
取り留めもない考えが頭の中を鈍重に練り歩いた。
12:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 05:00:22.45 ID:Q99nY2kzo
そのとき、私の内に光が差した。
父ならどうする……。父ならどうするだろう……。
あのくだらない一撃が私を決意させたのだ。
13:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 05:00:53.06 ID:Q99nY2kzo
寝間の前に立ち、戸を静かに開けた。
部屋の中では母と情夫が、いや、淫婦と情夫がすやすやと寝息をたてていた。
この淫婦を殺さねばならない。
14:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 05:01:30.25 ID:Q99nY2kzo
これで一つ目の決意は完了した。
私は血塗れた寝間を後にすると、居間へ向かった。
二つ目の決意のためである。
15:杉田恵美 ◆Nb9nlU7l66[sage]
2016/10/09(日) 05:01:56.37 ID:Q99nY2kzo
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