82: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/11/17(木) 11:01:18.54 ID:oHfqW8iBO
玄関の鍵が外れた。
「……ッ」
驚いて、すごく驚いてしまって。ヒュッと喉が鳴った。
都築さんが私を見下ろしていた。
なんだか彼女の帰りを待っていたように見えたかもしれない。
実際、怖かったので、早く帰らないかなとは思っていたけど。
都築さんは靴を脱いで、私の真正面にしゃがみ込む。
「ただいま」
両手で頬を挟みながら言った。
冷たい手が寝不足で火照った頬には気持ち良かった。
「都築さん……おかえり」
「すごく良い匂いがします。夕飯、もしかして作ってくれたんですか」
「あ、うん。泊まらせてもらってるし、口に合うか分からないけど」
「ありがとうございます。嬉しいです」
小さく微笑む。
「ううん……」
今日の事を伝えようと思ったけど、気持ち悪いって思われたくなくて喉元で言葉が消えていく。
「立てますか?」
「うん」
「あと、普段着と下着買ってきたので良かったら使ってください」
鞄の中からごそごそと取り出して、私に手渡した。
私は悪いからと言ったけれど、結局断り切れずに使わせてもらうことにした。
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